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シンガポール人が給料の3分の1も貯金する訳 「老後2000万円問題」を嘆く前にやるべきこと




 こんにちは。不動産担保ローンの日宝です。
NECは、新卒でも1000万円以上の報酬が得られる人事制度を導入することを発表しました。
世界的にIT人材の獲得競争が激しくなる中、研究職、技術職については新卒でも評価次第で給与が1000万円を超える人事制度を10月から導入するそうです。学会での論文を発表や、すでに起業して成果を上げているなど、評価できる実績があれば対象となるようです。世界的にAI、IoTなどのデジタル化でIT人材の報酬が上昇する中、日本企業でも外国人含めた人材確保の動きが見られるようになりました。夢がありますね。
 さて今日は日本の貯蓄率について触れてみたいと思います。

ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。金融庁の審議会が「公的年金以外に老後資金2000万円が必要」との報告書を公表し、日本でたいへん話題になっているようです。 一方で、シンガポールでは「老後は相互扶助ではなく自助努力」という考え方が浸透しているので、多くの人たちは月収の3分の1程度を老後資金として貯蓄しています。老後に備えるとはいえ月収の3分の1も貯めていくのは大変ですが、どのようにしているのでしょうか。

■同じ洋服を着回している準富裕層の女性たち
先日、シンガポールのレストランで、準富裕層(金融資産3000万円以上)の女性向けの投資セミナーに参加しました。
日本の中学受験によく出題されるような算数のクイズから始まり(アメリカの有名大の学生でも間違えるという問題でしたが、すぐ答えられた人が多かった)、ワインとフレンチをいただきながらのセミナーでした。シンガポールではレストランでこうした資産運用セミナーが行われることも多いです。
参加した女性投資家たちは、皆まじめで、流行のファッションを身にまとうような派手なタイプは少なかったです。
私の女性の友人たちも、お金を貯めている人は「いつも同じ服を着ている」印象があります。実際には何着も持っているのでしょうが、常夏の国だからか、会うとたいてい同じような服を着ているのです。
私は女性誌でお財布や家計簿診断に関する連載を長く担当していますが、20代30代の女性の場合、被服費や美容費に月数万円以上かけている人が普通です。まれに、両方で月2000円といった人もいますが、40代になると数万円で収まらない人も出てきます。
さっきの資産運用セミナーで隣り合わせた女性たちとお話ししたところ、「今はマーケットが不安定なので株式投資などはせずに、国の老後制度や預貯金、養老保険を中心に老後設計をしている」そうです。私が「仮想通貨(暗号資産)に投資をしている」と言うと、「えっ!」と驚いた感じでした。中華系の男性に話すと「いつ、いくらで買った」と必ず聞かれ、それだけで話がしばらく弾むのですが……。
その後、女性たちと一緒に帰りましたが、ワインを飲んだりしてもタクシーは使わず、バスを乗り継いで帰ると言います。シンガポールではタクシー代が非常に安く、加えて国土も狭いです。10分程度の距離ならタクシーで数百円で自宅に帰ることができるのに、30分以上かけて公共の交通機関と徒歩で帰るというのです。
実際、そういう富裕層や準富裕層が多いのです。私も、彼らと仲良くしていて身につまされるようになり、急いでいるとき以外は公共の交通機関を利用するようになりました。

■国の制度で年金を積み立て、不足分は自力で補う
シンガポールの個人所得税や法人税の税率は日本に比べると圧倒的に低く、相続税や贈与税もありません。一方で、社会保障は日本のように手厚くなく、医療費の自己負担率は6割程度(日本は13%程度)です。老後の年金制度は、「積み立て方式」で、自分の年金を自分で積み立てるという仕組み。イメージ的に確定拠出年金に近いです。 対する日本は「賦課方式」で、現役世代が支払った保険料がそのときの年金受給者に支払われる仕組みです。「積み立て方式」の場合、受給額が積立額より少なくなることはありませんが、それだけで暮らせるほどの金額が用意しづらいのはデメリットです。
シンガポールの年金制度としては、中央積立基金という強制貯蓄の仕組みがあり、医療費用、持ち家取得、老後生活に備えます。55歳以下の労働者は収入の20%、雇用者は17%を拠出します。シンガポールの国民や永住者は、月収の約2割を中央積立基金に、そのほかにも月収の1~2割を老後のために別途備えています。国の制度は変わることもあるので、「同額を別途自分でも貯めておきたい」と話す人もいます。
強制貯蓄制度に最大限払い込んだとしても、老後に受け取れる金額は月20万円弱です。強制貯蓄制度に貯めたお金を、住宅取得や医療などほかの目的にも使うこともあるので、自力でも貯めないと老後の生活はおぼつかないといいます。多くのシンガポーリアンは持ち家ですが、それでも老後のお金は年金だけでは十分ではないために共働きをしたり、長く働いたり、自分たちでも別途老後の貯蓄をつくっていて、非常に堅実だと感じます。
では日本の標準的な年金額はいくらくらいでしょうか。厚生労働省によると、夫が会社員で妻が専業主婦という家庭の場合、65歳からの夫婦2人で標準的な年金額は、月額で22万1504円です。
このパターンは夫が会社員で、平均的な報酬(賞与含む月額換算)が42万8000円で40年間就業したケースです。65歳から90歳まで標準的な年金の総額から平均的な生活費の総額を引いた不足額や予備費を、老後資金として約2000万円を貯める必要があるというわけです。
ただ、「賦課方式」も少子高齢化によって維持が難しくなり、将来の給付額はそのときの経済状況によって左右されます。シンガポール、日本のそれぞれの制度には一長一短があり、制度のリスクなどを理解したうえで不足額は自分で貯めていく必要があるのです。

■現役時代の40年間でリタイア後の生活費を貯める
シンガポールの世帯月収の中央値は約70万円と、日本の共働き世帯より高めです。例えば、月収75万円の世帯が、その3分の1を貯金するとしましょう。毎月50万円で暮らし、25万円を貯めていくということです。
この場合、2カ月働けば50万円貯まり、1カ月分の生活費が捻出できることになります。これを続けていけば、40年で20年分の生活費が捻出できる計算です。そうなれば、60歳でリタイアしても80歳までは働くことなしに生活が可能です。
運用によって「お金の寿命」をさらに延ばせるかもしれません。2000万円の元金から毎年100万円を取り崩して生活していく場合、5%複利で運用しながら取り崩していけば、100歳以上までお金が持つ計算です。ただし2%複利なら85歳になる前に底をつきます。
シンガポールでは中央積立基金にお金を入れていても2%以上のリターンは確保でき、運用の選択肢が日本よりも豊かです。これも資産形成に有利に働きますが、なぜこんなにも貯めるかというと、失業保険もないので貯蓄への危機意識が高いのです。
同じように、自国の社会保障が充実していないインド人の友人たちも非常に貯蓄への危機管理がしっかりしていると感じます。日本人も危機意識を貯蓄するモチベーションに変えていきたいですね。
東洋経済  2019年07月07日配信 シンガポール人が給料の3分の1も貯金する訳「老後2000万円問題」を嘆く前にやるべきこと より引用


老後の生活費として年金以外に2000万円が必要、という金融庁のレポートが話題になりましたが、実際に還暦を迎える人たちの貯蓄状況はどのくらいあるのでしょうか。
PGF生命が今年4月に還暦を迎える人を対象に行った調査によると、貯蓄額は平均で2956万円となったそうです。2000万円以上ある人が多いような結果になりましたが、これは一部の人が平均を大きく押し上げているためだそうです。貯蓄額が1億円以上と答えた人が全体の8%いた一方で、2000万円未満の人は67%に上ったそうです。さらに4人に1人は「100万円未満」と回答したそうで、貯蓄格差がハッキリとわかるデータになりました。
かつて、日本人は貯蓄好き、と言われていました。「現金での貯蓄が好き」というイメージを持っている方も多いと思います。ところが、実際の家計貯蓄率(手取りに対する貯蓄の割合)は年々下落しているそうです。
経済協力開発機構(OECD)が毎年行っている統計調査によると、2016年時点での日本の家計貯蓄率は2.56%でした。これはデータがある31ヵ国中21位だそうです。1990年代までは10%を超え、ランキングも上位10位内に入っていたそうですが、1999年以降は徐々に低下しているそうです。
原因は、可処分所得の低さにあるとされています。可処分所得とは、所得から税金・社会保険料などを引いた手取り収入のことで、OECDの統計によれば、1995年以降日本の可処分所得の年内成長率は、-1.2から2.1%という低い数字の間を推移しています。手取りは増えないのに、物価は上がり支出は増える、となり必然的に貯蓄が減ってしまっているようです。
人生100年時代になりました。国の制度に頼っていれば安心だった時代は終わりかもしれません。計画的に、証券や株といった資産も含めて貯蓄をしていく必要がありそうですね。


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