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GAFAの不動産テック版「ZORC」とは何か?




 国の2018年度の一般会計税収が60兆円を超え、バブル末期の1990年度(約60兆1千億円)を上回って過去最高となったそうです。好調な企業業績を背景に、賃金の上昇や配当の増加に伴う所得税の増加が寄与しているとのこと。一方、脱税総額は140億円にのぼり、消費税の不正還付事件が過去2番めに多い件数になったそうです。
正しく税金が納められて正しく使われることを期待したいですね。
 さて、今日はZORCについて触れてみたいと思います。

さまざまな業界を、ITを活用して変革していこうという「◯◯テック」が話題だ。その中でも、非常に規模が大きく注目されている業界がある。不動産テックだ。
 このジャンルでは、起業家向けのコワーキングスペースを提供するWeWorkが有名だろう。2018年11月にはソフトバンクから30億ドルの出資を受け、時価総額は470億ドル(5兆円)とも言われている。ほかにも上場を控えるAirbnbも290億ドル超といわれており、このジャンルの巨大さが分かる。
 WeWorkを筆頭に、不動産テック業界にはユニコーン(10億ドル企業)級の企業が続々誕生している。中でも、不動産売買にITを持ち込んだ4社が巨大だ。Zillow Groupが86億ドル、Opendoorが37億ドル規模(未上場)、Redfinが14億ドル、Compassが44億ドル規模(未上場)。この4社は、ハイテク大手の「GAFA」になぞらえて「ZORC」とも呼ばれている。

■マッチングのマーケットプレイスから実需に参入
「各社は、ITをマーケットプレイスだけに使っていたところから、実業に入ってきている」。そう話すのは、国内のテック企業にシード投資を行うベンチャーキャピタル、Coral Capitalの創業パートナー澤山陽平氏だ。
ZORC各社は、米国の住居の売買を事業の中心としているが、当初は売り手と買い手をマッチングするマーケットプレイスがメインだった。ところが、売り手が持ってきた物件を自らが買い取ったり、仲介したりする領域に進出し始めている。
 Opendoorは、アルゴリズムを活用して不動産の価格を査定し、直接買い取ってしまうというモデルで急成長した。仲介業者の選定、査定、購入候補者の内見、そして購入という平均3カ月程度かかっていたプロセスを、ITを活用して一気に短縮した。これがiBuyerという仕組みだ。
このiBuyerに、不動産情報サイトのシェア最大手であるZillowが乗り出している。
 Zillowは米国の不動産取引を変えたといわれるほどのサービスだ。売り出し中の物件の価格が分かるのはもちろん、売り出されていなくても、街中で気になった家を見つけたらZillowで検索すれば、だいたいの売却価格や周辺地域の情報が分かってしまう。こうした仕組みによって、米国では住宅価格の透明性が維持されるようになっているといわれている。
Zillowと似たサービスながら、ビジネスモデルが異なるのがRedfinだ。Zillowがサイトへの広告掲載をメインの収入源にしているのに対し、Redfinは自社で不動産エージェント(不動産仲介を行う個人)を抱える。エージェントに案件を提供し、仲介料をエージェントとシェアするモデルだ。テクノロジーを使って業務効率を改善することで、仲介料金を下げてシェアを拡大してきた。 不動産エージェント向けのサービスを提供して急成長したのがCompassだ。エージェントにCRMなどのツールを提供するだけでなく、周辺業務の支援を行うコンシェルジュも用意している。こうした仕組みで、トップエージェントを採用し、さらに仲介業者の買収によってエージェントの囲い込みを進めている。

■すむたす、カナリー、日本でも動き出す不動産テック
澤山氏は、不動産テックではB2C領域が盛り上がっていると見る。「SaaSの流れでB2Bから始まった不動産テックだが、日本でもこのあと大きな動きがあるのはB2Cの領域。純粋にB2Bでデータを活用した企業は今後苦しくなっていくだろう。B2Cジャンルの企業が大量のデータを扱うようになっていくからだ」(澤山氏)
国内でも不動産テックが動き始めている。Coral Capitalが出資する すむたす(東京都目黒区)も好調だ。Opendoorをベンチマークとし、国内で短期間に不動産を査定し買い取るiBuyer事業を展開している。すでに買い取り総額は400億円を超えたと、すむたすの角高広社長は話す。
 賃貸物件の内見をスマホアプリで簡単に行えるサービス、カナリーを展開するBluAge(東京都中央区)は、非効率な不動産業界を変革しようとしている。「不動産取引は、フリークエンシー(利用頻度)が低いので、利用者が合理的な判断をできない。なんとなく名前を知っているサービスを使ってしまう。リピートビジネスではなくスポットなので、情報の非対称性が生まれているという課題がある」(佐々木拓輝社長)
 国内でも動き始めた不動産テック。しかし、一気に大きな黒船がやってくる可能性もある。ソフトバンクだ。
 WeWorkはソフトバンク出資後、国内でも事業を展開。都内で急速にコワーキングスペースを増やし、都内だけですでに16カ所が稼働している。ソフトバンクは、ビジョンファンドが出資した海外のサービスを、国内では合弁会社という形で展開を進めている。そして、先のOpendoorには4億ドル、Compassには4.5億ドル、ソフトバンクビジョンファンドが出資している。
 日本の不動産取引の市場規模(取引金額)は約2兆円といわれている。巨大な市場ながら、その仕組みや商慣習は古くからのもので、非効率な部分や情報の非対称性が数多く残ったままだ。現在の不動産テックの躍進は、ほとんどが米国でのことだが、国内での変化も遠くはなさそうだ。
ITmedia ビジネスオンライン  2019年06月05日配信 GAFAの不動産テック版「ZORC」とは何か? より引用


英サヴィルズによると、世界の不動産市場規模は217兆ドルにもなるそうです。日本円にすると2京を超える額となり、利益率では金融業に次いで2番目に高い産業となっています。しかし、その巨大さにもかかわらず、業界には情報の非対称性や労働集約型の構造など多くの依然として昔ながらの手法が多く残っており、テクノロジーによる進化が遅れているとされてきました。
しかし、昨今はスタートアップ中心に、不動産テックが急速に浸透しつつあります。米調査会社のCBインサイツによると、世界の不動産テック・スタートアップへの投資は年率180%のペースで増加しており、18年は44億ドル(約5000億円)を超えるのが確実だ。国別に見ると、世界最大の不動産市場である米国が約5割を占めたそうです。
米国不動産テックのスタートアップは、リスティング(物件検索)サイト、小口投資家の資金を不動産取得・開発に投資するクラウドファンディング、不動産会社に業務支援ソフトを提供するマネジメントツール系不動産テックが中心になっているようです。また、資金調達額ランキングの上位には、WeWork、Airbnbを筆頭に不動産仲介会社のCompass、買い取り再販事業を手がけるOpenDooなどが並びます。
日本では、ソフトバンクがサウジアラビアの政府系ファンドなどと共同投資するビジョン・ファンドを中心に約150億ドルを投資しており、ベンチャー投資家の中でも目立つ存在になっているようです。
投資企業の中でも、ウィーワークへの投資は、18年1月に実施した30億ドルの新株予約権の引き受けや、19年1月に発表した20億ドルの追加出資などを合わせて、すでに104億ドルを投じているそうです。
日本でも、EGENTを提供するEQON株式会社や、カナリーを正式リリースした株式会社BluAgeなどが数千万単位での資金調達をしており、今後ますます不動産テックの発展と、これまでの不動産業界の利便性向上に期待したいですね。




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