金融庁が高齢者への「投資のススメ」という新たな施策に打って出るのは、日本人の金融資産が２０年前からほとんど増えていないという危機感がある。退職金は減少傾向で公的年金の支給開始時期も後ろ倒しとなるなど、老後に手にできるお金は減少している。従来のように年金を受け取りながら、ためたお金を取り崩すという考えから、投資で資産を増やし“資産寿命”を延ばすことで、平均寿命の延びに合わせるという発想の転換が求められている。
「このまま平均寿命だけが延び続ければ、老後にお金が足りなくなる可能性がある」。金融庁の幹部はそう懸念をあらわにする。
厚生労働省によると、日本人の平均寿命は延び続けており、２０１７（平成２９）年には男性が８１．０９歳、女性が８７．２６歳と過去最高を更新。現在６０歳の人の約４分の１が９５歳まで生きるとみられている。
寿命が延びれば、老後に必要なお金も増える。しかし、金融庁によると２０１４（平成２６）年の７０歳以上の１世帯あたりの平均金融資産は２０５９万円。この人たちが５０代だった２０年前に所有していた金融資産は平均１５０９万円で、３６％しか増えていない。米国の高齢者が金融資産を２０年間で３倍近くに増やしているのとは対照的だ。
金融資産が増えない要因の一つが、５割を超えるとされる現預金の割合の高さだ。現預金は使わない限り減ることはないが、近年の低金利環境では大幅な増加も期待できない。一方の米国は１割程度といい、残りを株式や投資信託、生命保険などの金融商品にバランス良く投資しており、この違いが老後の金融資産の差につながっているとみられている。
老後に毎月受け取れる年金は厚生年金で平均１５万円、国民年金で平均５万円程度だ。仮に、持ち家がない人が、都市部の賃貸マンションに住んで月十数万円の家賃を払っていれば、食費などを考慮すると自由に使えるお金は少ない。これまで不足分は資産の取り崩しや、働くことで補ってきたが、金融庁が推奨するのは「投資してお金に働いてもらう」（同庁幹部）という発想だ。
その際に注意すべきは１つの金融商品に全額投資するのではなく、異なる金融商品を組み合わせ、投資時期も数年かけて分散することでリスクを最小化することだ。金融庁の担当者は「長期で分散投資をすれば、ほとんどのケースでプラスになる」と話している。（蕎麦谷里志
寿命伸びるも金融資産は微増 “お手本”米国は３倍
こんにちは。不動産担保ローンの日宝です。
昨年４月から保険適用が始まった性別適合手術で、昨年末までに保険を使って手術したのは全国で３人にとどまっていることがＧＩＤ（性同一性障害）学会のまとめでわかりました。
日本では戸籍上の性別変更には、手術を受けることが要件とされており、これまではタイなどで手術を受ける人が多かったそうです。司法統計によると、性別を変更する人は年々増え、これまでに7千人以上が変更しているそうです。保険制度を活用できるように整え、体と心の不一致に苦しむ人が自分らしく生活できるようになると良いですね。
さて、金融資産について触れてみたいと思います。
産経新聞 2019年03月10日配信 寿命伸びるも金融資産は微増 “お手本”米国は３倍 より引用
日本証券業協会の個人投資家の証券投資に関する意識調査によると、個人投資家の年齢層は「70代以上」が30.1%と多く、60代以上が55.3％を占め、高年齢層中心だそうです。年収は「300万円未満」が45.4%と多く、「～ 500万円未満」（23.8%）を合わせると7割近くになるそうです。高年齢層が多く、年収が少ないということで、職業は「無職・もしくは年金のみ」という方がもっと多いようです。また、回答者個人の金融資産保有額は、「1,000～3,000万円未満」が 27.3%と最も多いそうです。
2018年のフィレディティ投資株式会社によるサラリーマン1万人に対するアンケート調査によると、投資をしていなかった人は7,935人で、全体の66.1％に相当したそうです。投資をしない理由として最も多くの人が挙げたのが、「資金が減るのが嫌だから」が32.6％で、この理由を挙げている人は2010年の調査から「全体のほぼ3分の1を占める」という傾向は変わっていないそうです。
我々は投資や金融について学ぶ機会が欧米諸国と比較して少なく、アンケート結果が示しているように「投資で資金が減る」や「投資はギャンブル」といったイメージを持っている人も少なくありません。日本全体の金融資産を増やすためには、ある一定の年齢から学生でも社会人でも、国をあげて金融教育を実施する必要があるのではないでしょうか。FinTechも浸透してきており、より手軽で少額から投資が可能になっている今だからこそ、必要な教育項目になるかもしれませんね。
