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金融サービス大転換の主導権を握るキャッシュレ決済覇者は誰だ?




マイクロソフトが、旧式のウェブブラウザーInternet Explorer(IE)を使い続けるのは危険だとして、その使用をやめ、最新のブラウザを使用するよう求めているそうです。
マイクロソフトのサイバーセキュリティアーキテクト、クリス・ジャクソン氏は、IEを使い続けることが企業に「技術的負債」をもたらしていると述べました。
サポート外になっているバージョンもありますので、最新のブラウザの使用で安全性も高めたいですね。
さて今日は、進むキャッシュレス化についてふれてみたいと思います。



「ビックカメラに行列ができてる!みんな、PayPay(ペイペイ)で買い物してる」

2018年12月、突然「PayPay」という耳慣れない言葉が話題となった。PayPayとはソフトバンクグループとヤフーが共同で手がけるモバイル決済アプリだ。同アプリで買い物をすると、支払い額の20%をポイントバックするキャンペーンを始めたところ、開始から10日間で還元額が 100億円に到達した。この「PayPay祭り」は、今後長期にわたって続く「キャッシュレス決済争奪戦」の序章にすぎない。
キャッシュレス決済とは現金を使わない決済方法を意味する。安倍政権は「未来投資戦略2017」において、キャッシュレス決済比率(現金以外の手段による年間支払金額を国の家計最終消費支出で割ったもの)を2027年までに現在の約2倍にあたる40%に引き上げる数値目標を掲げた。さらに2019年10月に予定される消費増税時の景気対策として、キャッシュレス決済に対してポイント還元を実施するなど、強力な推進策が予定されている。また、来年度からは電子マネーでの給与支払いが解禁されるなど、規制緩和も進んでいる。
これらは大胆な施策にも思えるが、韓国では2000年から、年商240万円以上の店舗にはクレジットカード取り扱いを義務化し、月1000円以上のキャッシュレス決済をした消費者には宝くじ参加券を付与した。こうした強引かつ奇抜な施策により、主要国トップとなるキャッシュレス決済比率89%を達成している。
そもそも、なぜキャッシュレス決済を推進する必要があるのだろうか。経済産業省が2018年4月に出した報告書「キャッシュレス・ビジョン」では、キャッシュレス決済を進めるべき理由として、①インバウンド消費の取り込み、②現金決済コスト削減、③新ビジネスの創出、という3点を主に挙げている。
まず、VISAの調査によると、キャッシュレス決済の進まない日本に不満を持つ外国人観光客の割合は4割にのぼる。決済インフラを改善しなければ、東京オリンピックのある2020年のインバウンドにおける機会損失は109億ドルに達すると試算している。
また、見過ごされがちなのが現行の現金決済インフラの維持に多額のコストがかかっている点だ。通貨発行、店頭設備、レジ締めなどの人件費、警備費、ATM設置・運用などをあわせると社会コストの総額は1兆6000億円と試算されている(野村総合研究所「キャッシュレス化推進に向けた国内外の状況」)。低金利時代で銀行の支店・ATM網の維持が困難となり、また生産性向上のためレジ店員削減などの省人化が求められているなか、現金決済コストの削減が必要だ。
さらに、キャッシュレス決済普及による新ビジネスの創出も期待されている。経済産業研究所(RIETI)の中島厚志理事長は「決済履歴を使って瞬時に自動車ローンや消費者ローンの信用判断をする中国・アリババグループの金融サービスのようなサービスの登場も期待される。これらはプロダクト・イノベーションと称されるサービス革新であり、日本もできることをやらないと世界の潮流から取り残されかねない」と指摘する。

■”クレカ外し”で先行したモバイル決済大国・中国
こうしたなか、日本ではクレジットカードやSuica(スイカ)などのプリペイド型電子マネーといった既存の決済方法だけでなく、スマートフォンを用いたQRコード決済などのキャッシュレスサービスが乱立している。
実際、参入予定のものも含めると、IT企業系のPayPay、LINE Pay(ラインペイ)、楽天ペイ、Origamiペイ、メルペイ、通信キャリア系のd払いやauペイ、コンビニ系のセブンペイやファミペイ、銀行系のはまペイやみずほ銀行電子マネー(名称未定)など、覚えきれないほどの新サービスが生まれている。
この中でどの決済サービスが生き残るのか。参考になるのは先行する中国の事例だ。「都市部ではすでに現金なしで生活できる」「屋台までキャッシュレス」「物乞いにもQRコードでお金をあげる」など、その普及ぶりは日本のメディアでも大きく取りあげられている。 元々、アリババグループの「支付宝(アリペイ)」、騰訊控股(テンセント)の「微信支付(ウィーチャットペイ)」などは、個々人の銀行口座直結の仕組みを整えて、クレジットカードネットワークを介さずにサービスを提供し、手数料を圧倒的に安くおさえた(零細事業者や個人間の送金ならば手数料無料)。
そこに2013年の法改正によってリアル店舗での決済が可能となり、QRコード決済が普及。前出の経産省の報告書によれば、中国のキャッシュレス決済比率は60%に達している。また、中国インターネット情報センター(CNNIC)の集計によれば、2018年6月時点で5億6608万人がスマートフォンによる決済を利用している。
中国では単に財布がスマホに置き換わっただけではない。ライドシェアやシェアサイクルを筆頭とするシェアリングエコノミーは、サービスの利用から決済までを可能とするQRコード決済アプリを前提としている。アリペイ、ウィーチャットペイなど決済アプリの中にはその他にも公共料金支払い、ネットショッピング、保険購入などさまざまなサービスへの導線が用意してあり、各種サービスのハブとなっている。
モバイル決済を導入している事業者側に目を向けると、QRコード決済の支払いは着金までの時間が短く、資金回転率が高まる。さらにウィーチャットペイでは買い物客が自動的に店舗のSNSアカウントをフォローするようになっており、事業者は利用者に割引クーポンを送ることができるなど、リピート買いを誘発することも可能だ。
世界的に注目を集めるのがモバイル決済で集めたデータのフィンテックへの応用だ。アリババグループやテンセントはユーザーの決済、ネットショッピング履歴、交友関係、移動記録などきわめて広範なデータを持つ。そのデータを基にユーザーの信用を点数化するサービスが信用スコアだ。融資を申し込むと、AI(人工知能)が自動的に可否を判定するため、スピーディーな融資が可能だ。
アリババグループの個人事業者向け融資サービスのキャッチコピーは「3・1・0」。スマホで融資申請を入力する時間が「3分」。すると「1秒」でAIが融資の可否を判定する。そのため、融資審査に関わる人は「0人」というわけだ。トラック運転手がガソリン代の不足を一時的に立て替える、小売店がセール向けの在庫確保に利用するといった機動的な利用が広がる。融資履歴以外の情報も加味して信用評価を行うため、これまで金融サービスを受けられなかった層も活用できる。

■メッセージアプリを基盤に攻勢に出るラインペイ
こうした中国のキャッシュレス決済の〝クレジットカード外し〟や〝データ活用〟の取り組みは日本においても参考となる。
日本におけるクレジットカードの決済手数料は平均では3%だが、零細事業者で5%を超えるケースもある。クレジットカードの導入においては、VISAやJCBなどの国際的な決済ネットワークを提供している国際ブランドやイシュアと呼ばれるクレジットカード発行会社、加盟店を獲得し管理するアクワイアラなど複数のプレーヤーが料金を徴収する構造のため、決済手数料の引き下げには限界がある。
日本のQRコード決済ではクレジットカードで支払うタイプと銀行口座から直接引き落とすタイプが混在している。前者のコスト構造はクレジットカードと同じだが、後者は「クレジットカード会社のネットワークを介さず、データセンターの数値を書き換えるだけで決済を行えるため、中間コストがかからない」(あるモバイル決済事業者の技術者)。そのため決済手数料を引き下げることが可能だという。 また、日本では中小事業者がキャッシュレス決済を導入するにあたって必要な初期コストを嫌い、キャッシュレス決済が普及してこなかった。しかし、QRコード決済ならば、専用端末の必要なクレジットカードとは違い、QRコードとスマートフォンさえ用意すれば導入でき、初期コストがほぼゼロだ。
中国における成功パターンである〝クレカ外し〟とQRコード決済の二つを満たし、その先のデータビジネスを考えると、もっとも先行しているのがLINEの提供するラインペイだろう。同社はメッセージアプリ「LINE」において国内月間アクティブユーザー(MAU)7800万人を抱えている。また、2018年11月にはみずほフィナンシャルグループと共同で新銀行を設立することを発表した。
会見で同社の出沢剛社長は「日常生活に密着したサービスを提供したい」と語った。同社は今後、毎日何度も立ち上げるメッセージアプリをハブとして、決済をパイプに、さまざまなビジネスを展開していくだろう。
同社は2014年からキャッシュレス事業を行っており、昨年からQRコード決済を導入した。ユーザー向けには、個人間送金を試すとローソンやマクドナルドの商品が無料でもらえたり、銀行口座からチャージすると抽選で人気アイドルグループ「欅坂(けやきざか)46」のチケットをプレゼントされたり、割り勘機能を使うと最大5万円がもらえるくじをプレゼントされる、といったキャンペーンも続けてきた。その結果、登録アカウント数は3000万人を超えている。
その他にもラインペイからは矢継ぎ早に関連サービスが打ち出されている。公共料金や通販、保険料の支払いができる「請求書払い」、個人資産を管理できる「家計簿」、さらに「スマート投資」や保険も追加された。他にも信用スコア「LINEスコア」と個人向けローンなどの展開も予告されている。LINEが金融商品のプラットフォームにもなりつつある。
決済関連ビジネスではLINEが先行したが、信用スコアの立ち上げではソフトバンクが先手をうった。2016年11月にみずほ銀行と共同でJスコア(東京都港区)を設立。2017年から信用スコアサービスを展開している。AIが算出した信用スコアによって、融資金利が変化する仕組みを取り入れている。さらにNTTドコモも信用スコア事業への参入を表明するなど、この中国発のイノベーションは一気に日本に広がる勢いだ。
猛烈な勢いでキャッシュレス、フィンテックの流れが進む日本。この流れから取り残されかねないのが銀行だ。この流れが続けば、銀行は各種金融サービスをフィンテック企業に奪われ、極端に言うと、単なる金庫番に転落する可能性すらある。
銀行側も流れに取り残されまいとモバイル決済などフィンテックへの参入を図るが、新規参入企業と比べると、ITのノウハウに劣り、固定店舗や窓口スタッフなどのコストが重くのしかかるなど、劣勢は否めない。このままだと消費者の日々の決済や送金、中小事業者の決済などはフィンテック企業に奪われてしまうだろう。
キャッシュレス決済の争奪戦を制する者が、新たな金融サービス提供者として主導権を握ることは間違いなさそうだ

WEDGE Infinity 2019年1月24日配信 金融サービス大転換の主導権を握るキャッシュレ決済覇者 は誰だ? より引用


キャッシュレス 化が進んでいる 中国 では 、春節(旧正月) 期間中 、「紅包」と呼ばれる 「紅包」と呼ばれる 「紅包」と呼ばれる 日本 で言う お年玉 もモバイル決済で普通にやり取されるそうです 。この お年玉は、ユーザーを拡大したい企業にとっても重要 な存在でもあり、毎年巨額のお玉がばらまかれるようです 。 貿易摩擦の影響などで中国経済失速がさやかれる、 2019年の春節 では 、バイドゥ(百度)が 10 億元(約 160億円)のお年玉を準備するなど、各プラットフォーム合計金額は少く見積もって数十 億元規模 になる との こと 。「お年玉大戦」は不況知らずの様相です 。 もと 、モバイル決済でのお年玉は、 2014年の春節に 10 億人以上のユーザを持つ世界最大メッ セージアプリ WeChat(微信)が生み出したサービスだそうです 。2019年にWeChatでやり取されたお年玉の額などは明らかにっていませんが 、テンセトによると大晦日にあたる2月 4日午後 8時台がやり取りのピークで、 1990年代 生まれ のユーザが最も多く機能を利用した そうです 。 一方 、テンセトのライバル、アリババ系モバイル決済アリペイの「 5福」を集めるお年玉キャンペーンは、5年目を迎えました 。今年は「愛国福」「和諧福」などと書かれた 5つのカードを集めたユーザーに対し、総額 5億元(約 80 億円)のお年玉を送るキャンペー実施したそうです 。 日本 でも 、PayPayが 100億円 キャッシュバクキャンペーンの第二弾 を2月12日から開始しています。サービス提供側の億単位でのキャッシュバック競争なくしても 、選ばれるサービスになるためには、 様々な工夫が必要 になりそうですね 。



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